アジアの「同一性」に関する認識は人によって
アジアの「同一性」に関する認識は人によって異なるが、東アジア地域が漢字文化と儒教文化に象徴される文明圏の影響下にあることは一般に留意されている。だが、たとえ同一の文明圏の中にあっても、各民族・国家の価値観の違いは依然大きく、異なる文明の派生すらあることも、多くの研究が証明している。したがって、これだけをもって東アジアのアイデンティティーを証明するのはやはり説得力に欠ける。東アジア秩序の歴史的な変遷の過程からは、東アジアアイデンティティー構築の困難さと複雑さが見てとれる。共同体意識の育成の面では、まず歴史問題のもたらす障害の解決が必要だ。そして、国境を越えた歴史認識の構築が、その重要な一歩となるのである。



